不動産の個人売買メリット・デメリット
不動産を売却する際には、不動産会社に仲介を依頼し、売却活動を手伝ってもらうことがほとんどでしょう。
しかし、不動産の売買は業者に仲介を依頼しなければならないわけではなく、個人売買も可能です。
ただし、デメリットやリスクもあるため、実態を把握したうえで売買の方法を考えていきましょう。
3つのメリット
不動産会社に売却を依頼すると、成功報酬として仲介手数料を支払わなければなりません。
売却価格が高くなるほど、不動産会社が設定できる仲介手数料の上限は上がり、結果的に売主が支払うコストも高くなります。個人売買を行うことで仲介手数料が全く不要となるため、数十万円から、場合によっては100万円程度のコスト削減になることもあります。
個人間での売買なら不動産会社との交渉が不要で、より自由な形式で販売活動を行えることも、メリットのひとつです。不動産会社と仲介契約を結ぶと、売却活動を手助けしてもらえることは確かですが、いろいろなアドバイスを受けることになり、自分の思い通りの売却活動が展開できないこともあります。
個人売買のメリットは、売主だけではなく買主にもあり、購入者は消費税なしの金額で不動産を手にすることができます。不動産会社を介すると、同じ不動産でも消費税が発生して、これだけでも大きな金額になることは少なくありません。
消費税だけで数万円から数十万円程度になることは多く、この費用が浮くだけでも金銭的なメリットは大きい
デメリット
不動産の分野は専門的で、業者でも得手不得手が分かれるほど領域は広範囲です。そもそも不動産会社ですら売却活動は容易なことではなく、これを素人が個人で行うというのは、非常に難易度が高いと考えましょう。
不動産関連の書類は、個人で作成することは非常に難しく、内容に不備が出てしまうことも少なくありません。そのため、内容の間違いやお互いの認識のずれからトラブルに発展することもあり、ひどい場合は裁判沙汰にもなるケースもありえます。
個人売買のデメリットは買主にもあり、不動産会社を介するときよりも住宅ローンの審査が通りづらい点が挙げられます。住宅ローンの審査では、不動産会社が作成した売買契約書や重要事項説明書が必要になるため、個人で作成すると不動産取引の証拠として認められないことがあります。
不動産は売却して終わりではなく、取引後に隠れた問題が見つかり、その損害賠償を請求されることがあります。これを「瑕疵担保責任」と呼び、個人売買ではより長期の賠償責任を問われやすい点には要注意です。
不動産会社に仲介を依頼する場合は、取引から3カ月以内に瑕疵が見つかった場合のみ、瑕疵担保責任を負うと取り決めをすることが多いです。
不動産を個人売買する流れ
- 不動産の相場を確認
- 必要書類や資料の準備
- 売却価格の決定
- 広告出稿
- 現地確認・問い合わせからの対応
- 価格を交渉
- 契約書など契約書類の作成
- 契約・決済
- 不動産の引き渡し
- アフターフォロー